たてものエッセイ|瓦の音楽
こんにちは。本日もまたまた「瓦」についてです。
瓦について、と言っても今回は 「瓦の音楽」について。
建物、屋根資材としての「瓦」でなく、音楽と瓦のコラボレーションのお話です。「瓦の音楽」プロジェクト というのがあるということを知りました。
瓦で音楽をつくる、演奏するというのをテーマに、2013年に現代音楽家の野村誠さん・やぶくみこさんのお二人が中心となり、400年の歴史のある淡路島の南あわじ市・津井の淡路瓦を使ったアートプロジェクトを立ち上げました。
瓦は屋根資材です。その建築資材を楽器として使い、音楽的可能性を追求するというプロジェクト。
NPO淡路島アートセンターのプロジェクトのひとつで、淡路瓦を別の視点から見直し、瓦を「楽器」として扱い、屋根瓦としてではなく別のアプローチでクローズアップした地域参加型のアート企画です。
ネットに上がっている「瓦の音楽」の音源を聞いてみました。
ピアノと共に響くその音色は木琴・鉄琴のような・・・それよりも温かみのある柔らかな音色でした。
ピアノという楽器もそうですが、まるで打楽器のようにリズム主体の原始的なイメージです。
瓦は粘土でできています。
その飾り気のない響きは素朴で温もりが感じられます。
躍動感あるリズムもとても魅力的です。
インドネシアの伝統音楽に使われる楽器、ガムランにその音は近いのかなと思われました。
ガムランは瓦よりもう少し金属的で華やかな音色ですが(青銅製なので当然ですね)瓦との相性はとても良いと感じました。
実際に過去国際交流企画としてコンサートなどで瓦の音楽と、ガムランの競演も行われたようです。
「瓦の音楽」プロジェクトのスタートは、大阪府・京都府・滋賀県など主に近畿、関西圏を中心とした活動のようですが、その近似性・親和性によりインドネシア、バリの民族音楽とのコラボレーションもされています。
またイギリスの音楽家を招えワークショップを実施。文化の融合を体感できる交流プログラムも行われました。
瓦を使った楽器の制作をはじめとし、その活動のプロセスを追ったドキュメンタリー映像の制作やその上映会、同時に冊子の制作、幼稚園や小学校でのワークショップ、広島市現代美術館での展覧会、CD「瓦の音楽 musik genteng」の制作などなど、それは幅広く活動的に展開されています。
瓦の楽器とはどんな音がするのだろう?どんな音楽なのだろう?
屋根材以外の用途で使われる「楽器としての瓦」に少し興味を持たれた方は、ぜひ一度その音を聴いてみてください。
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