中古住宅後進国 日本の住宅事情
日本では中古住宅のシェアは低く、新築物件に人気があります。
その理由として最も多く挙げられたのが「新築の方が気持ち良いから」という意見でした。住宅の資産価値が海外ほど高くなく、その中でも中古住宅となると需要も供給も成り立ちません。
新築物件の過剰供給問題、当然中古物件も余っている状況です。
戦争で焼け野原になった歴史があり地震も多く木造の家は朽ち果て壊れるもの、という思想も根付いています。
日本の住宅事情、その中でも中古住宅について見ていきましょう。
まず、現存している住宅の質が低いということがあります。
戦後質より量で建てられた住宅は、品質よりまず供給に応えなければならなかったという背景があります。
これは欧米とは異なる特殊な事情と言えます。
戦前から戦中戦後と、ライフスタイルが大きく変わったという日本独自の歴史があります。
古い物件は今現在のライフスタイルに合わないというイメージにつながり、新築志向にもつながったのでしょう。
日本では築15年ほどで建築物の評価はゼロになると言われています。
日本における中古住宅流通の割合は欧米に比べて極端に少ないようです。
国土交通省がまとめたものによると、住宅市場全体に占める既存住宅流通戸数の割合は
アメリカが77.6%
イギリスが88.8%(いずれも2004年)
となっているのに対して日本は13.5%(2008年)に過ぎません。
そのため、2006年の住生活基本法でも23%に引き上げる数値目標が掲げられていました。
高度経済成長期も去った人口減少の今、新築依存の住宅マーケットはもはや限界に来ています。
中古住宅市場の活性化は必須課題なのでしょう。
欧米のようにリフォームし価値を上乗せしていく感性と違い、人が使ったものを敬遠する新しもの好きの日本人の感性がDIY精神を阻み中古物件の資産価値を下げています。
手放すときにはどれだけ好みにリフォーム・リノベーションしていたとしても、次の住人が全とっかえしてしまう。
これではなかなかリフォームして永く住むという価値観は根付きませんよね。
そもそも日本は木造建築の文化です。
木造建築はやはり海外の石造りの住宅に比べ耐久性も低いため築年数が経てば経つほど価値も下がります。
耐久性も低く価値も下がっていく建築に対して「建て直すもの」という意識が芽生えるのも当然とも言えます。
また財務省が定める基準では木造建築は「22年」、鉄筋コンクリート建築では「47年」が減価償却を迎えると言われています。
これでは築数十年が経つと建築物としては資産価値がない、という判断になるのも消費者の気持ちとして仕方がないと思います。
それにより「新築信仰」も高くなり「新築の方が気持ちがいい」と数十年住んでは建て直し、中古となった物件は新築に、といったことになっていたのでしょう。
しかし最近では「中古物件を購入して自分達好みにリフォームし資産価値を上げる」という感性の消費者も増えてきました。マンションなどでもあえて中古を購入し自分達の好みのリフォーム、もしくはDIYする住民も多くなってきました。
そして建築業界の技術の進化もあります。
建築基準法の改正や耐震工事による耐震性の高い優れた「長期優良住宅」「ロングライフ住宅」が主流となり、耐久年数の高い建築物も増え徐々に上物の価値の底上げがされています。2006年に「住生活基本法」が制定され、住宅政策の中心が新築から中古へと変更した画期的な方向転換がありました。
また物件の鑑定制度「ホームインスペクション制度」も制定されたことにより、中古住宅の査定の明確化と中古不動産市場の成熟化が期待されます。次世代に渡せるよう手間や暇・お金をかけた愛着ある物件を、さらにこまめに手入れし資産価値を上げる。
そうすることによって先々の良好な売買を見越した計画も立てやすくなってくるはずです。
少しでも永く快適に過ごしていけるように、住宅そのものの資産価値を高めるよう我々のようなリフォーム施工会社が、そのお手伝いさせていただきます。
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