屋根勾配の急勾配と緩勾配、角度によるメリットとデメリット。
屋根の勾配とは屋根の傾斜の度合いのことを言います。
屋根の種類や形状、地域の風速や降雨量、積雪量など様々なことが考慮されて決められるのですが、屋根が急であるのと緩やかであるのではどのような違いがあるのかをご紹介します。
屋根勾配は「寸」で表示する方法と「角度」で表示する場合があります。
「寸」の表し方としては、水平距離を10としたときに、高さを寸で表します。
上記の絵のように高さが3であれば3/10という表示になり、3寸勾配という表現をします。
3寸を角度で表すと16.6992度となり、細かい数字になることから、角度勾配で表すことはあまり使わない方法です。
10/10の場合を矩勾配(カネコウバイ)と言い、45度の角度になります。
急勾配とは6寸勾配以上の傾度が高い屋根のことを言います。
■メリット
●角度があるため、雨水が留まりにくく、流れやすい構造となり、雨漏りの心配が少なくなります。
また、コケの発生や塗装の剥がれなども雨が流れやすいことにより防げ、耐久性が高まります。
●急勾配の屋根は、バランスがよくデザイン性が高いです。
●屋根裏などのスペースが広くなり、収納スペースの確保や、断熱効果があります。
■デメリット
●屋根の勾配が高いほど屋根の長さが必要となり、屋根の面積は広くなります。
そうすると足場が必要となったり、面積が広くなるため屋根材も多く必要となるためコストがかかります。
●急勾配だと突風や台風の時に風の影響を受けやすくなります。
緩勾配(かんこうばい)とは、3寸勾配以下の傾度が低い屋根のことを言います。
■メリット
●緩勾配の場合、風の影響が少なくなります。
●屋根面積は勾配が高い方が広くなるため、緩勾配の場合は面積が狭く済み、
また、緩勾配の場合は足場が必要ない場合が多く、工事費や材料費などの面でコストが安く済みます。
●落雪を防止できるため、雪が多く降る地域では多くみられます。
■デメリット
●勾配が低くなることで、ホコリなどがつもり、そこに雨水がしみこむことで、屋根材の腐食など劣化につながります。
●雨水の流れが悪く、屋根材の腐食がしやすいことからも雨漏りがしやすくなります。
●緩勾配の場合地上から屋根がほとんど見えなくなり、実際よりも小さな住宅に見えてしまうなど
デザイン性が乏しくなります。
●屋根と天井の間が狭くなるので、断熱効果が低くなります。
●瓦屋根の場合は4寸以上の傾斜が必要となるなど、使用できる屋根材が限られることが多いです。
(金属系の瓦棒やガルバリウム鋼板などが使用されることがほとんど)
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