昔の瓦屋根と今の瓦屋根の違い
ゴールデンウィークいかがお過ごしでしたか?
私は兵庫県の姫路城へ行ってきました。
白漆喰総塗籠造りの鮮やかな白の城壁で、シラサギが羽を広げたような優美な姿から
「白鷺城」(はくろじょう・しらさぎじょう)の愛称で親しまれています。
世界文化遺産・国宝に認定されている姫路城は
慶長14(1609)年に建築されて400年以上経過した現在も美しい姿を残しています。
普段屋根や瓦についてブログを書いている私は、お城の瓦ばかり見ていました(笑)
お城の中にも鬼瓦などが展示されていたり、工法などの詳しい説明書きがありました。
今回は昔の瓦と今の瓦の違いをご紹介します。
瓦の製法が昔と今とではもちろん違っていて、
昔は職人が手作りで瓦の形をつくり、
窯の温度も均一にするのは難しかったため、焼き具合などにむらがありました。
そのため、「プロペラ」と呼ばれるほど、捻じれた瓦がほとんどでした。
現在では、窯の温度もコンピューターで一定にすることができ、
捻じれや曲がったりということがなくなり、ほぼ同じ形状で真っ直ぐな瓦が作られる為、
施工がしやすくなりました。
昔は瓦屋根の場合、「土葺き工法」によって、
瓦の下に葺き土を置いて瓦を設置していました。
それは、昔の瓦は捻じれたりしているものがほとんどですので、
瓦と瓦を合わせるのに、ガタつきが生じてしまいます。
そのため、土を瓦の下に敷くことで、瓦同士のガタつきを防いでいました。
しかし、現在では瓦の捻じれなどもなくなり、形が真っ直ぐのため、
土を敷く必要がなくなり、現在の瓦に合った工法が開発されるようになりました。
瓦は地震などで落ちてしまうというイメージがあるのも工法の違いからでしょう。
現在は「引掛け桟瓦葺き工法」など、木材と釘で瓦を固定する工法や、
強風でも瓦が飛ばないように上下の瓦をフックでつなげれるようになったものなど、
瓦が落ちてしまうことを防いでいます。
土葺き工法の場合は瓦は固定されておらず、乗っているだけ
というイメージの方が近いと思います。
熊本地震により熊本城の瓦が落ちたのは
地震による家の倒壊を防ぐための昔の知恵だとされています。
現在でも耐震の為には屋根を軽くした方が良いとされ、
スレートなどの軽量の屋根が推奨されています。
瓦屋根の欠点としては屋根の重たさがあります。
屋根が重たくなる為、地震がきた時に重心を下にもっていくために
昔は揺れると瓦が落ちるように土葺き工法だったそうです。
土葺き工法は先ほども言ったように瓦を固定しない工法で
昔はわざと瓦が落ちるように固定していなかったとされています。
瓦屋根は重たいのが欠点だと言いましたが、同じ瓦屋根でも昔の屋根より現在の屋根の方が
重さは半分になっています。
なので、現在は瓦を落とすような工法にはなっていません。
むしろ、現在では瓦を落とした下に人がいることを想定するべきでしょう。
屋根の重たさは昔の半分になりましたが、瓦自体の重さは実はそこまで軽くはなっていません。
じゃあなぜ半分の重さになるのか。
それは土葺き工法が重たさの原因でした。
土が屋根の上に乗っていると想像するだけでも、かなりの重量があることは伝わるかと思います。
昔は瓦のがたつきを押える為に土葺きが必要でしたが、
現在は瓦のがたつきはない為、土ではなく木など軽い材料を使用し
瓦屋根の施工をできるため、屋根は昔の半分の軽さになりました。
屋根が軽くなったことで、屋根瓦でも地震などでの倒壊のリスクも減ったのです。
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