アメリカでシェア8割以上の屋根材 アスファルトシングル
日本の住宅に使用されている屋根材は様々なものがあります。
まず、伝統的な土を焼いて作られた瓦の屋根。そして最近ではサビなどにも強いガルバリウムなどの金属屋根、軽くてすっきりとした外観のスレート屋根等、現在日本には多様な屋根材が使われています。
海外ではどうでしょうか。ヨーロッパでは日本の瓦屋根と同じく土を焼いて作った屋根材があります。
イタリアやスペインで多く見られる赤土で焼いたテラコッタの屋根などがそれにあたります。
ではアメリカの住宅の屋根材はどういったものがスタンダードなのでしょうか?
アメリカで140年以上使用。超メジャー級の屋根材「アスファルトシングル」
ヨーロッパでスタンダードな屋根材といえば「天然スレート」屋根や、以外にも「瓦」屋根。イタリア・スペインなどで多く見られる赤い粘土で作られたテラコッタなどです。
そう、日本と同じく「瓦の屋根」なんですね。
しかしアメリカではアスファルトシングルという屋根材が広く普及しています。アスファルトシングルとはどういった屋根材なのでしょうか?
このアスファルトシングルという素材や特長、アメリカや日本でのシェア率など見ていきたいと思います。
カナダで考案された屋根材で、もともとはフェルト紙両面に良質のアスファルトを塗布してその表面に色の砂を定着させた素材です。
現在ではフェルト紙から繊維質のファイバーグラスに置き換わっています。
アスファルトシングルの本場はアメリカ。考案は1860年代と言われています。
アスファルトシングルの本場アメリカ・カナダなどでのシェア率
アメリカ・カナダにおいて住宅の約8割以上の屋根に使用されているそうです。
140年ほど使用されている超メジャー級の屋根材です。
アスファルトシングルには以下のような特長があります。
高防火性 | 日本の防火試験に合格。「屋根飛び火認定」を取得。 |
雪止め不要 | 秘密はアスファルトシングルのザラザラした表面。雪止め金具と同等の効果が。 |
柔軟で軽量 | 施工性の高さと、軽量なので建物への負担も僅か。 |
高防水・高耐久性 | 素材がアスファルトなので、基本水を吸い込まず耐用年数も約30年と長期。 |
豊富なカラー | カラーバリエーションが豊富なので高い意匠とデザイン性が期待できる。 |
柔軟性に富み施工しやすいのでデザインの幅が広いのがその特長です。
カッターやハサミでも簡単にカットでき、シート形状なので、曲面などあらゆる個所にも使用可能。
大変加工がしやすい素材となっています。また屋根のみならず外壁にも使用することができます。
アスファルトシングルの特長は簡単に言うと、防水シート+仕上げ材=屋根材となったもの、と言えます。
現在日本ではアスファルトシングルのシェア率はそれほど高いものではありません。
日本では国産の屋根材コロニアルが主流となっており、もしアスファルトシングルを屋根に使用したいとなると施工実績もあまりなく扱う業者も少ない状態で、また市場の供給量も圧倒的に少ないアスファルトシングルはここ日本ではなかなか普及しない状況となっています。
普及しない原因は、日本特有の気候にあるのではないかと思われてきました。
日本は自然災害大国。台風や暴風雨の多い特殊な気候の中では、軽量なアスファルトシングルは施工状態が悪いと風にあおられてパタパタとめくれやすいのも実情です。
しかしご安心ください。
アメリカ・カナダも寒冷から熱帯、湿度の高い気候やさまざまな風土があり、そちらで幅広く使用されている屋根材ですので、しっかりとした施工の元でなら捲れたり剥がれたりの不具合は生じません。
施工方法は接着剤で張り付ける方法と、釘で打ち付ける方法があります。
ただ日本では施工経験や技術を持っている業者が少ないなどが普及しない原因になっているようです。
日本での防災試験にも合格しているアスファルトシングル。
また扱いやすさやデザイン性の高さ、柔軟性があり軽量であるなど、優れた屋根材として現在日本でも注目を集めつつあります。
アスファルトシングルの製造生産No.1であるオーウェンスコーニング社製のラミネートシングルが認定を受けた今、以前に比べ日本でも手軽に施工できるようになりました。アスファルトシングルの普及も時間の問題と言えるでしょう。
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